住宅の耐震性能の現状及び転倒防止器具について

地震による犠牲者について過去の大震災の例をみますと、関東大震災においては火災により犠牲になった方が多数おりました。阪神淡路大震災では、至る所から火の手があがりましたが、犠牲者は6434名のうち、木造建物の倒壊による圧死の方が8割で約5000名です。また、家具の転倒による圧死の方が1割で約600名にも及びます。
比較的大きなビルなどは、建築基準法によりまして、1981年に改正された「新耐震基準」により耐震性能が担保されています。住宅においても、耐震基準が定められているものの、古い町並みを見ますと、木造の家屋で見るからに危ないと思われる住宅があります。一方で、建物内の家具や什器については、地震に備えるための具体的な転倒防止についてまでは規制されておりません。住宅について耐震診断を行い、しかるべき耐震補強をするのも一つの方法ですが、それなりの費用もかかることから、いまだ耐震性能の低い住宅が多く存在しています。阪神淡路大震災では、約1割の方が家具等の転倒により圧死したことは、看過できる数字ではありません。首都圏においては、マグニチュード7クラスの直下型地震が30年以内に発生する確率が70%と予想されています。まずわ、比較的容易にできることからはじめることが肝心ですね。
現在各種の転倒防止器具がありますので、それらの器具を用いまして、きたるべく地震に備えて、家具の転倒防止を行うことは有意義なことだと思います。
転倒防止器具の種別としましては、L型金具、木製家具連結金具(上下の家具を連結するもの)、床固定金具(家具類を床にボルトで固定するもの)、ベルト・チエーン・ワイヤー式の固定金具、ポール式の固定器具(つっぱり棒のようなもの)、ストッパー式の固定器具(家具等の下に、くさび状の器具を置いて固定するもの)、固定用マット(粘着性のあるマット状のもので固定するもの)等があります。これだけの固定金具や器具類がありますので、その場所に対応したものを選択して設置することができるかと思います。これらの固定金具や器具は、ホームセンター等の防災用品売り場にて購入できます。どのようなものがいいのか分からない場合には、区役所や市役所の防災担当、または消防署に尋ねるとよろしいかと思います。「備えあれば憂いなし」という諺もありますが、少しでも被害を軽減するために必要なことでしょう。